とまらぬ亀の轍

何をするにも鈍間な筆者が、歩み続ける足跡を綴っていきます。

日本人医師が米国に来た後日本に戻れるのか?

米国での臨床は医療レベルで日本と大きな差はないものの給料とQOLは雲泥の差があるので、日本の医学生が目指したくなるのは良く分かりますが、米国で生き残ると逆に諸々の理由で日本に帰国したくてもできず引退まで米国で米国人の為に尽くさざるを得ない可能性があるという事は知っておいた方がいいと思います。私が観測した帰国できない理由を如何に挙げます。
1. 子供達が米国に馴染んでしまい子供を置いて帰れない。
2. 子供達が米国大学に入学してしまい、学費捻出の為に日本には帰れない。
3. 米国は医療の細分化は激しく、細分化した診療科に特化してしまい日本に適切な診療領域がなく帰れない。
4. 米国人と結婚して家族を作ったので帰れない。
5. 米国の給料とQOLに馴染んでしまい、日本の薄給、激務には帰れない。
6. 外科系のチーム医療の科で医局との繋がりが無い場合、帰って腕を振るえる場所がない。
7. 卒業後早期に米国に来た場合、知識や技術を全て英語で米国式に覚えている為、日本の医療に適応できず帰れない。
そもそも帰りたくないという方々も多く見かけますし、帰国したくない子供と帰国したい奥様の板挟みで苦しまれている方々や、結局離婚して家族がバラバラになってしまった方々もお見受けします。
長い目で見れば、必ずしも米国に来て幸福になれるとは限らないと言う事は知っておいて欲しいですね。