とまらぬ亀の轍

何をするにも鈍間な筆者が、歩み続ける足跡を綴っていきます。

私の心に強く残っている米国人種差別体験

今のアイオワ大学の2回目のインタビューに呼ばれてアイオワ州の空港に降り立ち、大学が予約してくれたカーレンタル会社の窓口に並んでいて、私の番が来た時に予約票を渡すと「あなたの車はありません。」と。 米国中西部ならではで、周りを見渡すと白人ばかりでカウンターの人も中年の白人男性。自分の前に並んでいた人は普通に車を借りて行き、後ろにも行列ができている。 「人種差別かよ。」と心の中で呟き、相手を睨み付け「予約しているのに無いのは納得いかない。」とはっきり主張するも相手は一向に目を合わせようとせず、「無いものは無い。」の一点張り。 時期は折しもちょうどコロナ禍の真っ最中で全米でアジア人に対するヘイトが巻き起こっていた頃であり、周りの白人たちも無言で素知らぬ顔。 その場で困り果てていると、突然、隣のカーレンタル会社Hertzの白人女性が他の客への接客を中断して私に「うちに車があるから貸してあげる。」と。 予約もないのに笑顔で手続きをしてくれ、レンタカーを無事借りることが出来ました。 帰り際にその人種差別を行なった会社窓口を見ると、並んでいる白人たちにしれっと車の貸出をしていました。

 

これが米国。良くも悪くも多様。でも人種差別を悪として行動してくれる人々がいる。今でもHertzの白人女性の勇気ある行動にとても感謝していて、自分の行動の模範となっています。 差別は人間の生まれ持った性。異物を排除しようとする防御本能。それを如何に理性と教育で排除していくか。人種差別は間違っていると言う事を如何に理解し行動していくか。まだ未だに現代の人類の課題の一つだと思っています。